準備7 株式の譲渡制限を決定する

小規模会社は株式譲渡制限のメリットを活用しましょう

株式の譲渡制限とは?

自社の株式を第三者に勝手に売買されないよう「制限」するための規定で、中小企業にとってさまざまなメリットがあります。会社設立時に定款で定めておく必要があります。

公開会社と非公開会社

「株式」は本来自由に取引き(売買)されるべきものです。しかし、株式を持っている=その会社の経営に対して決定権を持つことができる ため、自社にとって都合の悪い人物や大資本の手に自社の株式の大半が渡ってしまうと、簡単に乗っ取られてしまう危険もあるのです。

そのため、「株式の譲渡(取引)をする場合には会社の承認が必要である」旨をあらかじめ定款で定めておくことで自社の経営権を守っておく必要があります。

  • 全ての株式に対し譲渡制限あり=非公開会社(株式譲渡制限会社)
  • 一部でも譲渡制限なしの株式がある=公開会社

と呼びます。

 

上場するような大規模な会社であれば、株式の一部を自由に譲渡可能にしますが、中小企業の多くは非公開会社を選びます。
3人未満の取締役で会社を設立する場合は株式譲渡会社(非公開会社)となります。

株式譲渡制限会社の主なメリット

メリット① 経営の安定化

上で述べたように、株式の譲渡制限を定めておくことで、自社の株式が第三者に分散して経営が不安定になってしまうことを防ぐことができます。
家族経営や一人会社のように、小さな会社にとって大きな安心材料と言えます。

メリット② 取締役は1人でも設立可能に

以前は3人以上の取締役が必要でしたが、新会社法 施行後、株式譲渡制限会社なら1人での会社設立ができるようになり、起業へのハードルが低くなりました。

メリット③ 取締役会の設置・監査役の設置は任意に

公開会社の場合、「取締役会」を必ず設置します。取締役会には、取締役3名以上、監査役(または会計参与)1名以上が必要で、それだけの人数の役員をそろえなくてはいけません。
株式譲渡制限会社にすると、取締役会を設置してもしなくてもよいため、社長1人で役員とし、監査役も設置してもしなくてもよい、ということになります。

メリット④ 役員の任期を延期できる

株式譲渡制限会社では定款に定めておくことで、役員の任期を10年まで延長できます。(通常は、取締役・会計参与は2年、監査役は4年)

メリット⑤ 株主総会の招集手続きが簡略化

株主総会の招集通知は原則2週間前までに書面またはメールで通知しなければいけませんが、1週間前まででもOK、また、口頭でも可、となります。

 

上記のように、株式譲渡制限会社は・株主を内輪に限定できる・起業しやすく・意思決定がスムーズと、中小企業にとってメリットとなる点が多くあります。

株式譲渡制限は定款で定めておきます

・自社が発行する株式すべてが「譲渡制限株式」であること。
・譲渡する場合の承認機関はどこか。(取締役会、代表取締役または株主総会)

等を定款に定めておくことで 株式譲渡制限会社(非公開会社) となります。

1人で会社を興す、家族身内など少人数で会社を経営する、といった小規模会社にとってメリットの大きい「株式譲渡制限」。自社にとって必要な内容を過不足なく定款に規定しておきましょう。