定款-3 定款の文例

定款は文例に沿って作成しましょう。

定款は、書面のスタイルや記載事項の内容はおおむね慣習的に決まっています。文例を参考にしながら必要な項目について、内容や文言の記載漏れがないよう自社の事業に必要な内容で作成しましょう。

定款は、後から変更ができないわけではありませんが、変更には手間も費用もかかりますので、スタートの段階で慎重に進めていきましょう。公証人や行政書士など専門家に相談すると安心です。

定款作成の文例

今回の記事では、実際に会社の定款を作成するための文例を紹介いたします。

例になっている定款の記載事項の中で、

赤は絶対的記載事項
青は相対的記載事項
緑は任意的記載事項
になります。
(⇒ )で補足説明を記載しています。

ここでは株式会社〇〇という架空の会社を例に、会社の定款を載せていきます。

 

株式会社〇〇

定 款

 

第1章 総 則

(商号)
第1条 当会社は、株式会社〇〇と称する。
(⇒正式な会社名を記載。株式会社も(株)などと省略しません。)

(目的)
第2条 当会社は、次の事業を営むことを目的する。
1. 〇〇の製造及び販売
2. 〇〇の輸入及び販売
3. 前各号に付帯する一切の事業
(⇒すでに決まっている目的を記載します。なお、最後に「前各号に付帯する一切の事業」と記載します。)

(本店の所在地)
第3条 当会社は、本店を東京都〇〇区に置く。
または
第3条 当会社は、本店を東京都〇〇区〇丁目〇番〇号に置く。
(⇒最小行政区画である市町村まで記載すれば足りますが、詳細な所在場所まで記載することもできます。なお、最小行政区画である市町村までの記載にしておけば、その市町村内で本店移転をした場合には定款変更の必要がないというメリットがあります。)

公告の方法)
第4条 当会社の公告は、官報に掲載する方法により行うものとする。
(⇒官報または時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙のどちらかによります。なお、「官報に掲載する方法により行うものとする」と記載するのが一般的です。 )

第2章 株 式

(発行する株式の総数)
第5条 当会社の発行する株式の総数は、〇〇株とする。
(⇒会社が設立後に発行できる株式の限度枠になります。)

(株券の種類)
第6条 当会社の株式については株券を発行しない。
(⇒この記載がなくても株券は原則不発行となりました。)

(株式の譲渡制限)
第7条 当会社の発行する株式の譲渡による取得については、株主総会の承認を受ければならない。

(⇒この記載がなければ株式は自由に譲渡できることになります。なお株式の譲渡制限を記載するほうが一般的です。)

(基準日)
第8条 当会社は、事業年度末日の最終の株主名簿に記載または記録された議決権を有する株主をもって、その事業年度に関する定時株主総会において権利を行使すべき株主とみなす。
(⇒通常はこのように記載しておけばいいでしょう。)

(その他、下記任意的記載事項について 公証人や行政書士等 専門家と相談の上、定款に必要事項を記載しましょう。)

 (名義書換)

 (質権の登録及び信託財産の表示)

 (手数料)

 (株主の住所等の届出) など

第3章 株主総会

(召集および召集権者)
第9条 当会社の定時株主総会は、毎事業年度終了後3か月以内に召集し、臨時株主総会は必要に応じて招集する。
2 株主総会を招集するには、会日より3日前までに、議決権を有する各株主に対して召集通知を発するものとする。ただし、総株主の同意があるときはこの限りではない。
3 前項の召集通知は、書面ですることを要しない。
(⇒通常はこのように記載しておけばいいでしょう。)

 (議長)
第10条 株主総会の議長は、取締役がこれに当たる。
2 取締役に事故もしくは支障があるときは、当該株主総会で議長を選出する。
(⇒通常はこのように記載しておけばいいでしょう。)

 (株主総会の決議)
第11条 株主総会の普通決議は、法令または定款に別段の定めがある場合を除き、出席した議決権を行使することができる株主の議決権の過半数をもって行う。
(⇒通常はこのように記載しておけばいいでしょう。)

 (総会議事録)
第12条 株主総会における議事の経過の要領およびその結果並びにその他会社法施行規則72条に定める事項は、議事録に記載または記録し、議長および出席した取締役がこれに署名もしくは記名押印または電子署名をし、10年間本店に備え置く。
(⇒通常はこのように記載しておけばいいでしょう。)

第4章 取締役

 (取締役の員数)
第13条 当会社の取締役は1名以上とする。
(⇒取締役会を設置しない場合の例。)

(取締役の選任)
第14条 当会社の取締役は、株主総会において議決権のある発行済株式の総数の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数の決議によって選任する。
(⇒通常はこのように記載しておけばいいでしょう。)

(取締役の任期)
第15条 取締役の任期は、選任後10年以内に終了する最終の事業年度に関する定時株主総会の終結時までとする。
(⇒株式譲渡制限会社であれば、最大10年まで規定できます。)

(取締役に対する報酬)
第16条 取締役の報酬は、株主総会の決議により定める。
(⇒通常はこのように記載しておけばいいでしょう。)

第5章 計 算

 (事業年度)
第17条 当会社の事業年度は、毎年4月1日から、翌年3月31日までの年1期とする。
(⇒1年を超えない範囲で任意に決めることになります。決算期は比較的仕事が忙しくない時期を選ぶようにしましょう。)

(剰余金の配当)
第18条 剰余金の配当は、毎事業年度末日現在の最終の株主名簿に記載または記録された株主および登録質権者に対して支払う
(⇒通常はこのように記載しておけばいいでしょう。)

 (配当金の除斥期間)
第19条 剰余金の配当が、支払いの提供をした日から3年を経過しても受領されないときは、当会社は、その支払いの義務を免れるものとする。
(⇒通常はこのように記載しておけばいいでしょう。)

 

第6章 附 則

 (設立の際に発行する株式の数)
第20条 当会社の設立時発行株式の数は、20株とし、その発行価格は1株につき5万円とする。
(⇒1株の金額は自由に決めることができ、資本金の額を1株の金額で割って、設立時発行株式の数を記載しておけばいいでしょう。

(設立に際して出資される財産の価額または最低額)
第21条 当会社の設立に際して出資される財産の価額は金100万円とする。
(⇒通常はこのように記載しておけばいいでしょう。)

(最初の事業年度)
第22条 当会社の最初の事業年度は、会社成立の日から平成〇〇年3月31日までとする。 
(⇒例えば、2月に会社を設立して3月を決算期にすると、会社を作って1か月余りで決算の手続きをしなければならなくなります。第20条の事業年度も考慮しながら決めるようにしましょう )

(設立時取締役)
第23条 当会社の設立時取締役は次のとおりとする。

  設立時取締役  小 林 太 郎

(⇒通常はこのように記載しておけばいいでしょう。)

 

(発起人の氏名、住所、割当を受ける株式数およびその払込金額)
第24条 発起人の氏名、住所、発起人が割当を受ける株式数およびその払込金額は、次のとおりである。

東京都〇〇区一丁目2番3号
20株  金100万円  小 林 太 郎

(⇒発起人は個人でなく会社でもなることができます。なお、記載した住所は印鑑証明書の住所と一致しなければなりません。また、引き受けた株式の数と出資額を記載します。)

(法令の準拠)
第25条 この定款の規定にない事項は、すべて会社法その他の法令に従う。
(⇒通常はこのように記載しておけばいいでしょう。

以上、株式会社〇〇 設立のため、発起人を代理して〇〇が電磁的記録である本定款を作成し、これに電子署名する。

平成〇年〇月〇日

発 起 人   小  林  太 郎   印

(⇒個人の実印で押印します。発起人が複数いる場合は、全員分の署名押印が必要です。)